ユーザー車検について知っておくべき費用と車検の流れ

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ユーザー車検とは、自動車の運転手が自ら運輸支局などに車を持ち込み、車検(継続検査)を受けることを言い、車検の予約を行えば誰でもユーザー車検を受けることが可能です。自動車を運転する人なら必ず車検を受ける必要があり、これを怠った場合は罰則が科せられますので、定期的に受ける義務があるものですが、車検の費用は軽自動車でも6万〜8万円以上がかかってきます。

それがユーザー車検ならわずか3万円台で行うことも可能ですので、できることなら車検費用を安く行いたい方には願ってもいない方法でしょう。そこで今回は、交通事故とは直接の関係はありませんが、自動車を運転する上で大事な車検についてご紹介していきます。

 

 

そもそも車検の費用はいくらかかるのか?

通常の車検よりも費用が安く抑えられると言われるユーザー車検ですが、実際のところどの程度の節約になるのか、具体的な数字が不明瞭な部分もあると思いますが、こんな記事もあります。

【総費用は自賠責保険料込みで3万5600円】
次のターンは支払いだ。私の場合、自賠責保険の満期も明日11月27日だったので、この場で2年間の更新を申請。わずか数分で保険の更新手続きは完了した。総支払額は、

  • 検査法定手数料:1400円
  • 自動車重量税印紙代:7800円
  • 軽自動車第2号様式用紙代:30円
  • 自賠責保険24カ月分:2万6370円
  • 合計金額:3万5600円

──である。安い。たぶん究極に安い。もしも、あらかじめ自賠責保険に入っていれば、この場では9230円を支払うだけということになる。ユーザー車検、マジで安い!
引用:【一発合格】軽自動車の「ユーザー車検」を受けてきた! 総費用は自賠責保険料込みで3万5600円のみ!!

そこで、まずユーザー車検はどのくらい安くなるのかを確認していこうと思いますが、車検費用は基本的に以下の内訳となっています。

車検費用の内訳

車検費用 = 法定費用 + 車検基本料

法定費用とは自陪責保険料・重量税・印紙代のことで、どこで車検を受けても、必ず同額がかかり、この法定費用を諸費用と呼ぶ場合もあります。車検基本料は俗に言う依頼された業者の儲け分のことで、基本的に24ヶ月点検整備・検査代・代行手数料なども含まれています。

法定費用の内訳

自動車税:自動車税早見表

地方税(普通自動車は都道府県、軽自動車は市区町村)のことで、これは車の排気量によって税額が決まっています。

■自動車取得税|自動車取得税の計算例

車を購入した際に課税される地方税(都道府県税)のことで、車の新車価格・年式・車名・グレード等で課税標準額が設定されています。新車には必ず課税されますが、中古車は課税されない車両もあります。

重量税

乗用車の場合は車両重量、貨物車は最大積載量で国税によって課税額が決められています。新車の場合は3年分(貨物は2年分)、車検が無い中古車は2年分(貨物は1年)、軽自動車は2年分を車検(新規・継続)時に支払うことになります。

自賠責保険料

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険料)は、車の運行に必ず加入することが義務づけられていることから、強制保険とも言われ、家用乗用・自家用貨物・事業用・軽自動車などで保険料が異なっています。

検査登録印紙代

名義変更(新規・移転)などの登録や車検(新規・継続)にかかる費用で、陸運事務局に支払います。

標番代(ナンバー代)

抹消登録車を購入した場合、名義変更でナンバー変更したい場合、または変更を要する場合に必要な費用です。希望のナンバーを選べる「希望ナンバー制」もありますが、通常よりも費用が高くなります。

車庫証明申請証紙代|全国の車庫証明証紙代一覧

車庫証明を申請する費用で、普通自動車と軽自動車で金額が異なります。最寄りの警察署もしくは自家用組合に支払いします。

表:乗用車(1,000cc〜1,500cc)の法定費用例

乗用車
車両重量1000cc〜1500cc
自動車税(年間)34,500
自賠責保険料(24ヶ月)27,840
重量税〜2t〜2.5t〜3t
13年経過していない32,80041,00049,200
13年〜18年43,20054,00064,800
18年以上経過50,40063,00075,600
検査登録印紙代新規継続構造変更
2,1001,8002,100
ナンバー代新規移転変更抹消
700500350永久一時
無料350
車庫証明申請証紙代(東京都)2,600
法定費用合計(2t、13年未満)100,540

基本的に上記のような法定費用は必ずかかるものですので、節約などは原則できません。ただ、あくまで上記は普通自動車によるものですので、軽自動車やあらかじめ自賠責保険に加入していれば、5万円ほど安くなるでしょう。

個々の自動車の状態で変わる費用

車検のディーラーなどに依頼した場合に発生する費用としては、主に以下のようなものが出てきます。絶対に必要な項目でもありませんし、業者によって費用も異なるので、あくまで参考程度に見ていただければと思います。

  • エンジンオイルの点検
  • ブレーキオイル交換
  • ミッションオイル・ATF
  • LLC(クーラント)交換
  • エアクリーナーの点検
  • ブレーキパッドの点検
  • ブレーキフルードの点検
  • タイヤの点検
  • ワイパーの点検

合計でおおよそ2万円〜3万円程度だとお考えいただければと思います。

ユーザー車検の場合の費用

おおよそ算出した法定費用に加え、通常であればディーラーに支払う費用を考える約15万円前後が妥当な金額かと思いますが、ユーザー車検の場合は点検作業を自分で行う関係上、ディーラー費用がなくなり、5万円前後の節約になると思われます。

 

ユーザー車検のメリットとデメリット

費用が節約できるという利点の他に、ユーザー車検には以下のようなメリットもありますが、逆にデメリットもありますので、確認しておきましょう。

メリット

  • ・車検費用が安くなる
  • ・車についての知識が深まり安全意識の向上が測れる
  • ・車の税金や保険料などに詳しくなる
  • ・ユーザー車検なら合格する可能性が高くなるケースもある
  • ・車検と同時に法定点検を受ける必要がない

デメリット

  • ・安全性と環境基準がクリアしていれば合格のためメンテナンスが不十分となる可能性がある
  • ・運輸支局などの営業時間内(平日の昼間)でないと検査が受けられない
  • ・じぶんで行うため時間と手間がかかる
  • ・素人は24ヶ月点検整備ができないため別途整備費用がかかる
  • ・不適合箇所があると追加調整費用がかかるケースがある
  • ・時期によっては検査場が混雑している

費用が安く抑えられるという最大のメリットは魅力的ですが、その分全ての点検作業を自分で行う必要がありますので、手間と時間がかかるのは、正直ネックな部分かもしれません。

 

ユーザー車検を受ける際の流れ

つぎに、実際にユーザー車検を受ける場合に準備しておくべき事をご紹介していきます。

必要書類の準備

  • ・車検証
  • ・自動車損害賠償責任保険証明書(新旧2枚)
  • ・自動車税納税証明書(継続検査用)
  • ・自動車検査票
  • ・自動車重量税納付書
  • ・継続検査申請書
  • ・定期点検整備記録簿
  • ・その他(ガムテープ、雑巾、印鑑)

「自動車検査票」「自動車重量税納付書」「継続検査申請書」は、車検当日に用意すればOKですが、自動車損害賠償責任保険証明書は、車検を受ける前までに新たに保険期間の継続手続きを行って下さい。また、認印が必要になる可能性もありますので、持って行って方が良いでしょう。

ユーザー車検の予約

予約方法はインターネット予約、または受検する運輸支局へ電話することで可能です。なお、当日でも予約は可能ですが、できれば前日までには予約をしておいて方が良いでしょう。

車検項目の把握

車検の項目は2種類のコースが用意されていて、初めての方に向いているのはマルチコースと呼ばれるコースのです。以下ではマルチコースの場合の流れをご紹介していきます。

1:同一性の確認

これは車検証や申請書類の記載内容と、車両が同一である事の確認を行います。検査官が来たら、ボンネットを開けて車検証を含む書類を提出、車両とエンジンに打刻されている車台番号と原動機型式から、提出した書類と自動車が同一であるかの確認が行われます。

2:外廻り検査

自動車の外観に、車検証に記載がない変更や改造が行われていないかの確認が行われます。

3:サイドスリップ検査

これは前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)の検査です。検査用の鉄板の上を通過し、電光表示機に「○」が表示されれば合格となります。

4:ブレーキ検査

前輪、後輪、及び駐車ブレーキの制動力の確認を行います。誤差の範囲内であれば合格です。

5:スピードメータ検査

電光表示機に「40キロでパッシング」と表示されたら、スピードを上げていき、実際の速度と、速度表示機器との誤差の確認をします。

6:ヘッドライト検査

ヘッドライトの光量、光軸が、誤差内であるかの確認をします。ヘッドライトをロービームで点灯し、ヘッドライトの光量、及び光軸が基準内であれば合格です。

7:排気ガス検査

排出ガスのCO(一酸化炭素)と、HC(炭化水素)の濃度の検査です。

8:下廻り検査

車両下部の不具合、かじ取り装置やオイル漏れなどの検査を行います。

自動車の状態をチェック

灯火装置

自動車に付いている全ての灯火装置(ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカーなど)の点灯を確認し、切れている場合は交換の必要があります。

タイヤ

溝の残量、亀裂・ひび割れの有無を確認します。

ガラス

フロントガラスのヒビや損傷の確認。ヒビなどがある場合は、交換もしくは補修(ガラスリペア等)を行います。

内装

バックミラー、シートベルト、ホーンマーク、ギアパターン、コーションラベル、発煙筒の取り付け有無を確認します。

メータ廻り

シートベルト警告灯や、エアバックの警告灯などが点灯していないかを確認します。

ワイパー・ウィンドウォッシャー

ウィンドウォッシャー液を出してワイパーを動かし、正常な機能かを確認します。

ホーン(警報器)

ホーンを押して正常に機能しているかを確認します。

マフラー

排気漏れがないかを目視を行い、排気音から確認します。もし排気漏れがある場合は交換もしくはパテで補修を行って下さい。

ドライブシャフトブーツ

前輪駆動車の場合はフロントタイヤの内側と車体中央、後輪駆動車はリアタイヤの内側と車体中央に付いています。ハンドルを左右交互に切って、損傷・破けがないかを確認します。

ステアリングラックブーツ

ハンドルをいっぱいに切り、フロントタイヤの隙間からステアリングラックブーツに損傷・破けがないかを確認します。

合格の場合|車検証の交付

車検が合格であれば、書類一式を車検証交付窓口へ提出し、新しい車検証とステッカーの交付を受ければ、ユーザー車検は終了となります。

不合格の場合|再検査・保険期間の修正手続き

不合格の場合は不適合箇所の整備を行った後に再検査を受けることになります。注意が必要なのは、検査日から2週間以内に受ける場合と、2週間を超えてから受ける場合で検査項目が変わって来る事です。

2週間以内の場合

不適合箇所の検査項目のみとなります。予め不適合の指摘を受けた検査日に申請を行い、限定自動車検査証の交付を受けておいてください。

2週間以降の場合

全ての検査項目を受けることになりますが、限定自動車検査証を交付してもらう必要はありません。検査手数料は小型車で1,700円、普通車で1,800円です。また、再検査を受ける事とで、車検有効期間が切れてしまっている場合は、できるだけ早く継続加入を行った代車屋等に行き、保険期間の修正手続きを行う必要があります。

 

まとめ|ユーザー車検の失敗には注意

以上がユーザー車検を受ける場合の基本的な流れになります。「メリットとデメリット」でもお伝えしましたが、費用が安く済む分デメリットなどもありますので、車検の期限には余裕を持って受けて頂ければと思います。

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